2011年4月7日木曜日

石巻の巻

昨日の早朝、石巻から戻った。
暗い高速を降りた途端、見慣れた地元の風景に出くわし、正直、面喰った。
東北では、あれほどの惨状が続いているのに、多少の節電はあるものの東京は全く元通りみたいだ。驚いたのは、道に泥もゴミもないこと。たった5時間離れた石巻では、今日も極端に不自由な暮らしを強いられたり、強烈な臭いの中、黙々と汚泥を撤去したり、厳しい寒さの避難所で凍えながら夜を過ごす人たちがいるのに、だ。


3月20日から4月4日まで、仙台と石巻を拠点に調査しながら支援してきた。石巻、東松島、南三陸、石巻の雄勝など、津波の被害の激しい場所を訪れるたびに打ちのめされる。毎日通う石巻市内各所も、行く度に辛い気持が募るけど、元より実際に被災された方々の辛さとは比べようもない。


一度に三人の子どもを全て亡くされた方や、流されていく家の屋根で助けを求める人の声が耳について離れない方や、姉と母を同時に亡くされた方や、たくさんの悲しみが心の中に隠されたまま被災地の日は明けて暮れる。


早く、被災された方々の状況を改善したい!焦る気持ちをあざ笑うかのように、毎日がゆっくりと流れる。仲間のボランティア達は、一つ一つの家の汚泥撤去をし、炊き出しをし、コミュニティを回っている。私たちも一歩ずつしか前に進めないから、一歩ずつ歩みを進める。


避難所の暮らしは厳しいけれど、物質的には『在宅避難者』より恵まれている。物資はとりあえず避難所から配布されるからだ。なぜこんなに、倉庫にモノが溢れているのに、必要とする人の手に届かないのか。ガソリンがないから、トラックがないから、人手がないから、情報がないから。言い訳は止めて支援を進めよう。次回は、支援物資が届くまでをリポートします。

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