2011年6月22日水曜日

支援者の集い


6月18日、支援者の集いを開きました。

昨年、JENをご支援くださった皆様、東日本大震災をご支援くださっている皆様160名近くがお集まりくださいました。

この日は、JENの新しいロゴもお披露目させていただきました。

2011年6月21日火曜日

緊急支援での適切な調整とは? その2

前回のブログからはや、ひと月半、経ってしまった。にもかかわらず、「調整」の状況は変わっていない。

今回の東日本大震災の支援状況に関して、ずっと考えていたこと、それは、このフィールド(活動地)での支援活動が、どうしてこんなに時間がかかるのか、復旧復興の進み方が遅いのか、ということだ。

JENは、1994年以来、海外各国で紛争・災害の緊急支援に出動してきた。世界で緊急事態が起こると、(緊急)支援は、こんな風に進められている。

1.





被災地での調整は、分野別に行われる。

被災国全体では、必ず分野別にとらえるし、被災した地域でも同様に分野別に捉える。逆にそうしないと、漏れやダブりが出てしまう。


2.






支援に携わる“関係者全員”が一堂に会して漏れやダブりをならしていく作業をするのが、現地での『調整会議』だ。

関係者全員とは、現地政府、国連機関、NGO、各国政府などだ。様々な関係者が提供できる物やサービスを調整会議で伝え、足りない部分を埋めてゆく。

日本で『調整』というと、“根回し”みたいに受け止める方がいるようだが、緊急支援の調整は、決して根回しではない。プロ同士の連携であり、緊急時に効果を発揮する。携わる誰もが最重要とみなす必要不可欠な業務だ。こうして、貴重な物資やサービスを提供できる組織が、全体像を見渡して互いにサポートしあいながら、効果的に支援を提供する。これが緊急時に求められるプロの存在と、それがもたらすスピードだ。




3.




東日本大震災の場合は、更にすごい。通常、支援に加わっていない民間の企業も主体的に参加し、支援をしているのだから、こんな強みを活かない方がおかしい。だから、これを有効活用するために、この図の右側のような全体での調整をすることが望ましい。



4.






今回の東日本大震災の現状はこうだ。「公」と分類される国、県、市町など行政のそれぞれのレベルに災害対策本部が設置されている。おそらく、それぞれの災害対策本部が、分野別の目配りや資源の配分をやっているのだろう。

一方、これとは別のとりくみとして、社会福祉協議会が『監督』している「民」の活動、ボランティア活動がある。

驚くべき現実はというと、世界中の様々な巨大災害で緊急支援に携わってきた経験を持つNGOたちは、「民間」だから、という理由で、この『ボランティア』と位置づけられていることだ。

刻一刻と状況が変わる緊急時に、みなされ方などはどうでも構わない。ここで問題なのは、それぞれの場所で行われている『調整』が、互いに分野別に別々に行われているために、支援の全体像が見えにくくなっていることだ。




5.



結果的に全体の支援が遅くなっている。

これをどうやって解決していったらよいのか、次回考えてゆく。

2011年5月17日火曜日

未曾有の災害の意味すること

東日本大震災とそれに伴う津波、原発事故、
この3重苦は未曾有の災害だとよく言われる。

「いまだかつてない」ことが未曾有ならば、
その結果起きてしまったことは、もちろん未曾有。

であれば、その対処法も未曾有でなければならない。
つまり、『これまで通り』の対処法では、
未曾有の災害に適切な対処ができないということだ。

我々NGO職員も、企業人も、学者も、役人も、政治家も、
メディアの人も、大人も子どもも、みんなでこれまでと違うことをやろう。

震災から2か月経った。被災者の皆さんだけでなく支援をする人々も、
みんな頑張り抜いてきて、既にくたくただ。
でも、疲れたからと言ってその手を休める状況には全くない。

なぜかというと、余りに大きな『未曾有の』災害だったからだ。
みんな、自分の常識の範囲内で全力を尽くしてきたのではないだろうか。

努力が足りないんじゃない。災害が大き過ぎるのだ。
被災者の皆さんが置かれている環境は、あまりにひどい。それが現実だ。
だから、このままのやり方でみんなが頑張り続けても、時間がかかるだけだ。
今からでも遅くない。ほんとうは遅いけど、今始めなければもっと遅くなってしまう。
今始めないより、遅くても今始めることが大切だ。

一人ひとりが自分に『非常事態宣言』を出して、自分の常識を打ち破る行動を起こそう。
これまで2か月の間、日本国政府が『非常事態宣言』を出すのを期待していたけれど、
もう待っている時間は残っていない。

一人ひとりが自分の常識を超えて、被災者のためにベストなことは何かを考えて、行動しよう。
被災者の状況を変えるのは、一人ひとりの場所での行動だ。

2011年4月30日土曜日

緊急支援での適切な調整とは?

明日、と言っている間に3日経ってしまった...。

1994年の発足からJENが活動してきた世界各地の緊急支援の現場には、どこにも『調整会議』が存在した。それはもちろん、適切に調整しないと漏れやダブりが起こるからだ。特に大規模な災害や紛争で多数の被災者がいる場合、支援はいくらあっても足りない。

だから適切な調整は「やれればいいが、やらなくてもいい」という贅沢ではなく、現実的に死活問題なのだ。

極めて大雑把にいうと、どこの調整会議でも大体は
『全体像の把握⇒ニーズの確認⇒分担⇒足りていない部分の穴埋め』という実際の調整の部分と
『情報共有』と
『支援のばらつきの調整』という三つの部分がある。

全ての関係者が一堂に会して、どの地域の状況が厳しいか、それらの地域ではどのようなニーズがあって誰が何をやっているか、結果、どのニーズが満たされていないか、をまず確認する。確認しながら、どんどん支援を実施していく。当初は全体像がつかみきれないので、実施しているかたわら自分のいる地域での情報をなるべく多くつかみ、調整会議で共有する。他団体の報告を聞いて、まだカバーされていない地域と分野で、自分たちにカバーできそうなことがあれば、そちらにも出かけていき、調査をし、実施できそうなら即座に実施を始めて調整会議で報告する。

1週間から10日ほどすると、被害が大きい地域で交通の便が良かったり、特に報道で注目されている場所の役割分担が決まり、調整会議も軌道に乗って、足りない地域の足りない分野がわかってくるので、その部分をカバーしてくれる団体を探したりもする。

『情報共有』では、各団体の支援内容だけでなく、文化的背景の注意喚起であったり、治安や調達に関する情報であったり、様々に『より良い事業実施に有益な情報』が共有される。

『ばらつき防止』に関しては、支援によって被災者間に格差をもたらさないために、例えば配布物資の内容をある程度そろえたり、標準的な支援内容の確認をしたりする。

元々、緊急支援の現場で良く引き合いに出される『スフィア・スタンダード』というものがある。http://www.sphereproject.org/

これは、多くの人道支援団体が赤十字や赤新月社とともに1997年に作ったもので、被災者の生活の質が劣悪にならないために目安となる最低基準なのだ。この基準が万能ではないし、残念ながらこの基準が満たされないことも多い。が、仮設住宅を建てる際にもこれを念頭に計画を立てたりもする。調整会議に参加する人々は、この最低基準のことは当然頭に入っていて、各地の被災者の状況が、この基準に照らしてどうか、と考えたりもする。全体像を考える上でも、良い手掛かりになるものだ。

海外での緊急支援の現場では、こんな風に調整会議が進んでいく。

今回の東日本大震災の現場での調整会議に関しては、また明日。

2011年4月27日水曜日

余りに遅い支援の現場

改めて、東日本大震災で亡くなられた方とご家族にお悔やみと、被災された方々にお見舞いを申し上げます。

既にJENのウェブページでもご承知の通り、JENは最初仙台で、続いて石巻に拠点を移して被災者の方々への支援活動をしている。これからしばらくは、東日本大震災支援に関することを書きたいと思う。

海外の緊急支援をしてきた目で今回の支援の現場を見ると、驚きの連続だ。まず、支援があまりにも遅い。もちろん我々も支援の現場で活動する一員なのだから、自戒を込めてそう思う。発災から既に丸6週間経った今の石巻で、被災者が避難している学校の教室から体育館に移動させられていたり、いまだにボランティアが炊き出しをしている状況は、はっきり言ってあり得ない。

これは、決して政府批判でも行政批判でもない。行政の職員も地震が被災している中、涙ぐましい努力をしている。あんなに頑張っている人たちに『もっとやれ』というつもりはさらさらない。

でもなぜ、モノゴトが動かないのだろう。

まず一つは、被害の規模の大きさ。余りにも広範囲で余りにもひどい。街中のガレキが撤去されて、だいぶ改善が進んだが、人のいない地域つまり多数の犠牲が出た地域では、手つかずのままガレキが放置されている。


もう一つは、調整の不足。海外の現場では、この調整が相当機能していたのだ、ということが、今回良く判る。明日は調整について書きます。