2016年7月5日火曜日

テロを受けて ::  共同代表理事・木山啓子からのメッセージ

JENをご支援くださっている皆様へ、

 6月末からのわずか1週間の内に、トルコ、バングラデシュ、イラク、サウジアラビアと立て続けに一般市民をねらったおぞましいテロが、またもや世界各地で起こりました。亡くなられた方、そのご家族、ご親族、ご友人、所属組織、関係者の皆さまに謹んでお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 バングラデシュ人は行け、と言われて部屋に残された日本人の方々や、その方々を思うご遺族のお気持ちは、到底想像できるものではありませんが、恐怖や悲しみ、そして志半ばで道を諦めざるを得なかった方々の無念を思うだけでもいたたまれない気持ちになります。

 残念なことに、無差別に一般市民を殺害するテロが起こり続けています。JENが2003年以来、緊急復興支援に従事してきたイラクでも、首都バグダッドで自爆テロがありました。幸運にも今回は、JENの現地スタッフの無事を確認することができましたが、とても身近な脅威と感じます。

 悲しみと共に、どうすればこうした悲しみと憎しみの連鎖を止めることができるのか、を考えずにはいられません。自分は絶対に正しく、相手は間違っている、その間違っている人々を殺害さえしても良いという考え方、それを信じ込んでしまうナイーブさ。そのどれもが多様性を否定する不寛容から来ていると感じます。

 では、私たちはどうすればよいのでしょうか。

 多様性を尊重し、寛容を示し続けること。そこに希望があることを皆が思い出せる様に関わり続けること。厳しい状況にある人々が、自らの力で再び歩みを進められる様、支え続けること。他者への寛容が巡り巡って自分の身の回りの人々を幸せで照らす経験を積み重ねられる様支えること。

 テロを最も助長するのは、私たち自身が恐怖に支配され、寛容を手放し、分断に力を貸すことです。こんな時だからこそJENは、治安管理にこれまで以上に注意を払い、支援の手を止めることなく、被災された方々に寄り添い、平和を取り戻す支援活動を着実に進めて参ります。

 トルコ、バングラデシュ、イラク、サウジアラビアで犠牲になられた方に、心から哀悼の意を表します。