
2011年8月23日火曜日
2011年8月1日月曜日
平成23年度 外務大臣表彰受賞
JENは平成23年度外務大臣表彰を受賞しました。
外務大臣表彰は日本と諸外国との友好親善に著しく寄与した個人と団体を外務大臣が表彰するもので、今年度は、個人68名、30団体が受賞しました。
7月28日に外務省飯倉公館で表彰式が開かれました。
今回の受賞は、JENが設立以来17年以上にわたって日本を代表する国際協力NGOとして
諸外国における国際協力の促進に貢献してきたことが評価されました。
JEN理事・事務局一同、外務大臣表彰の受賞を励みに今後の活動を展開していきたいと思います。
以下のリンクにて、JENがこれまで世界各国でおこなってきました自然災害における活動をご紹介しています。
くわしくは、こちらをクリック
外務大臣表彰は日本と諸外国との友好親善に著しく寄与した個人と団体を外務大臣が表彰するもので、今年度は、個人68名、30団体が受賞しました。
7月28日に外務省飯倉公館で表彰式が開かれました。
今回の受賞は、JENが設立以来17年以上にわたって日本を代表する国際協力NGOとして
諸外国における国際協力の促進に貢献してきたことが評価されました。
JEN理事・事務局一同、外務大臣表彰の受賞を励みに今後の活動を展開していきたいと思います。
以下のリンクにて、JENがこれまで世界各国でおこなってきました自然災害における活動をご紹介しています。
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2011年7月5日火曜日
No.28 国際協力の現場から:意外と地道な緊急支援(支援の遅さについて)
東日本震災支援のための日本赤十字社(以下日赤)への義捐金は、とうとう2,500億円を超えた。236万件というから単純に日本の人口で割ると18%の人が募金をしたことになる。JENにも、1万893件の募金や物資のご寄付や労働力としてのご支援、そして助成が寄せられ、地震発生直後から多くの支援活動を実施させて頂くことができた。本当に有難いかぎりだ。
その義捐金が中々配布されないという批判を耳にするが、早く配れるための方策は単純だ。具体的な配布は市区町村の役場が行っているので、既に200%頑張っている役場のサポートを効果的に行えばよいのだ。ただし、日本中の役場から被災地の役場へのサポートは既に可能な限り実施されている。つまり、被災地の役場のニーズにまったく届いていないというのが現状だ。
東日本大震災の支援活動を行っている人々も団体も、みな一様に人財不足で苦しんでいる。多数のボランティアが現地に行ってはいても、長期間滞在しなければ、作業でない部分の仕事は担ってもらいにくい。作業を実行する人手としてのボランティアの存在も大切だが、仕事の仕切りができてある程度長期間現地に張り付くことのできる人財が圧倒的に足りていない。役場の場合は、個人情報や現金を扱う仕事に長期ボランティアを従事させられないという考えもあるのだろうが、支援が迅速に進み、且つこうした治安対策もできる、という方向を考えることが重要だ。
われわれNGOの現場での仕事も同様に、一つ一つの仕事を丁寧、且つ迅速に行うことが求められている。JENが石巻で実施している仮設住宅への生活必需品搬入事業を例にとってみよう。
まず、調達だ。迅速且つ効率的に大量の物資を調達するには、大量発注に応じてくれる業者さんに頼むのが一番早く、コストも安い。一方、かなりの量の物資は全国の善意の市民から市区町村の物資倉庫へと送られて放置されている。これを活かして無駄を省く努力をすると、購入代金も多少減るだろう。だが、これを活かすためには誰かが仕分けをしなければならないが、量も多く種類もばらばらで実際に仕分けして見なければ、活かせるものがどれ位あるのかもわからない状態だ。
JENでは、被災者の方々をアルバイトとして雇い、仕分けをしていただくことで日当を稼ぎ出してもらうことにした。膨大な量の仕分け作業を被災者の方のための『収入創出事業』に変えたのだ。
仮設住宅に生活必需品を搬入する事業を実施している、と言うと一軒当たりいくらかかるのかをよく訊かれる。実際には、仮設に入れる抽選に当たった人の家族構成によって一軒あたりの費用が当然変わってくる。家族の人数によって、そろえる数を変更する物資もあれば、何人家族でも入れなければならない物資もあるので、柔軟に対応する必要がある。その上、仕分けた支援物資をどれほど入れられるかがわからないので、購入費は大きく幅があるのだ。
搬入作業も、業者さんに依頼して、各戸に人数分を入れてもらう形にすれば楽なのだが、きめ細やかにすることで、被災者の方の収入にもなり、物資を寄付した方の善意も報われ、倉庫が一杯で苦しんでいる役場のお手伝いにもなる。
そして、生活必需品を搬入する際、入居される被災者の方へのささやかなメッセージを残している。見ず知らずの人々と軒を接して住まなければならなくなった人々が、温かく仮設住宅に迎え入れられたと感じてもらえるように。
急いで、しかし丁寧に。究極の選択が連続する現場は、東北でもまだ始まったばかり。復興までは、まだこれから気の遠くなる様な長い時間がかかる。
(写真:ボランティアの手により、側溝から泥を除去する作業が急ピッチで進む)
(ニュースレターNo46より転載)
2011年6月22日水曜日
2011年6月21日火曜日
緊急支援での適切な調整とは? その2
前回のブログからはや、ひと月半、経ってしまった。にもかかわらず、「調整」の状況は変わっていない。
今回の東日本大震災の支援状況に関して、ずっと考えていたこと、それは、このフィールド(活動地)での支援活動が、どうしてこんなに時間がかかるのか、復旧復興の進み方が遅いのか、ということだ。
JENは、1994年以来、海外各国で紛争・災害の緊急支援に出動してきた。世界で緊急事態が起こると、(緊急)支援は、こんな風に進められている。
1.

被災地での調整は、分野別に行われる。
被災国全体では、必ず分野別にとらえるし、被災した地域でも同様に分野別に捉える。逆にそうしないと、漏れやダブりが出てしまう。
2.

支援に携わる“関係者全員”が一堂に会して漏れやダブりをならしていく作業をするのが、現地での『調整会議』だ。
関係者全員とは、現地政府、国連機関、NGO、各国政府などだ。様々な関係者が提供できる物やサービスを調整会議で伝え、足りない部分を埋めてゆく。
日本で『調整』というと、“根回し”みたいに受け止める方がいるようだが、緊急支援の調整は、決して根回しではない。プロ同士の連携であり、緊急時に効果を発揮する。携わる誰もが最重要とみなす必要不可欠な業務だ。こうして、貴重な物資やサービスを提供できる組織が、全体像を見渡して互いにサポートしあいながら、効果的に支援を提供する。これが緊急時に求められるプロの存在と、それがもたらすスピードだ。
3.

東日本大震災の場合は、更にすごい。通常、支援に加わっていない民間の企業も主体的に参加し、支援をしているのだから、こんな強みを活かない方がおかしい。だから、これを有効活用するために、この図の右側のような全体での調整をすることが望ましい。
4.

今回の東日本大震災の現状はこうだ。「公」と分類される国、県、市町など行政のそれぞれのレベルに災害対策本部が設置されている。おそらく、それぞれの災害対策本部が、分野別の目配りや資源の配分をやっているのだろう。
一方、これとは別のとりくみとして、社会福祉協議会が『監督』している「民」の活動、ボランティア活動がある。
驚くべき現実はというと、世界中の様々な巨大災害で緊急支援に携わってきた経験を持つNGOたちは、「民間」だから、という理由で、この『ボランティア』と位置づけられていることだ。
刻一刻と状況が変わる緊急時に、みなされ方などはどうでも構わない。ここで問題なのは、それぞれの場所で行われている『調整』が、互いに分野別に別々に行われているために、支援の全体像が見えにくくなっていることだ。
5.

結果的に全体の支援が遅くなっている。
これをどうやって解決していったらよいのか、次回考えてゆく。
今回の東日本大震災の支援状況に関して、ずっと考えていたこと、それは、このフィールド(活動地)での支援活動が、どうしてこんなに時間がかかるのか、復旧復興の進み方が遅いのか、ということだ。
JENは、1994年以来、海外各国で紛争・災害の緊急支援に出動してきた。世界で緊急事態が起こると、(緊急)支援は、こんな風に進められている。
1.

被災地での調整は、分野別に行われる。
被災国全体では、必ず分野別にとらえるし、被災した地域でも同様に分野別に捉える。逆にそうしないと、漏れやダブりが出てしまう。
2.

支援に携わる“関係者全員”が一堂に会して漏れやダブりをならしていく作業をするのが、現地での『調整会議』だ。
関係者全員とは、現地政府、国連機関、NGO、各国政府などだ。様々な関係者が提供できる物やサービスを調整会議で伝え、足りない部分を埋めてゆく。
日本で『調整』というと、“根回し”みたいに受け止める方がいるようだが、緊急支援の調整は、決して根回しではない。プロ同士の連携であり、緊急時に効果を発揮する。携わる誰もが最重要とみなす必要不可欠な業務だ。こうして、貴重な物資やサービスを提供できる組織が、全体像を見渡して互いにサポートしあいながら、効果的に支援を提供する。これが緊急時に求められるプロの存在と、それがもたらすスピードだ。
3.

東日本大震災の場合は、更にすごい。通常、支援に加わっていない民間の企業も主体的に参加し、支援をしているのだから、こんな強みを活かない方がおかしい。だから、これを有効活用するために、この図の右側のような全体での調整をすることが望ましい。
4.

今回の東日本大震災の現状はこうだ。「公」と分類される国、県、市町など行政のそれぞれのレベルに災害対策本部が設置されている。おそらく、それぞれの災害対策本部が、分野別の目配りや資源の配分をやっているのだろう。
一方、これとは別のとりくみとして、社会福祉協議会が『監督』している「民」の活動、ボランティア活動がある。
驚くべき現実はというと、世界中の様々な巨大災害で緊急支援に携わってきた経験を持つNGOたちは、「民間」だから、という理由で、この『ボランティア』と位置づけられていることだ。
刻一刻と状況が変わる緊急時に、みなされ方などはどうでも構わない。ここで問題なのは、それぞれの場所で行われている『調整』が、互いに分野別に別々に行われているために、支援の全体像が見えにくくなっていることだ。
5.

結果的に全体の支援が遅くなっている。
これをどうやって解決していったらよいのか、次回考えてゆく。
2011年6月18日土曜日
2011年5月31日火曜日
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